自動車の整備工場を一代で築き上げた夫を支えてきた美奈子。しかし、その夫も一年前に他界。跡継ぎもおらず工場はたたんでしまった。絶望に打ちひしがれていた美奈子だった。彼女の心にぽっかりと空いてしまった穴はそう簡単に埋まらなかったのだ。美奈子は、今や見る影もなくなった工場に一人佇み、あの頃の逞しい夫の姿を思い浮かべる。そこに、美奈子を心配した娘婿がやって来た…。